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2020.4.5

ゴッドファーザー PART II

ゴッドファーザー PART II

ゴッドファーザー」(1972)の続編。さらに「ゴッドファーザー PART III」(1990)へ続く。
公開前から続編の制作は決定していたのだとか。
続編の内容は、前作のマイケル・コルレオーネの後日談と、亡きヴィト・コルレオーネの若き日を描く。

第47回アカデミー賞で作品賞・監督賞・助演男優賞・脚色賞・作曲賞・美術賞を受賞。今のところ、続編と二作が作品賞を受賞するのはアカデミー賞史上、ゴッドファーザーだけ。すごいね〜。
さらに前作同様、アメリカ国立フィルム登録簿(半永久的な保存を推奨している映画・動画作品のリスト)に永久保存登録されているよ。

ゴッドファーザー PART IIの映画情報

原題 The Godfather Part II
制作年 1974年 制作国 アメリカ
上映時間 200分 ジャンル クライムドラマ
映倫 PG12
オフィシャルWeb http://paramount.nbcuni.co.jp/search/detail.php?id=2182
監督 フランシス・フォード・コッポラ
キャスト

アル・パチーノ
ロバート・デュヴァル
ダイアン・キートン
ロバート・デ・ニーロ
ジョン・カザール
タリア・シャイア
リー・ストラスバーグ
マイケル・V・ガッツォ
マリアンナ・ヒル
ハリー・ディーン・スタントン
ダニー・アイエロ
ジェームズ・カーン
トロイ・ドナヒュー
ジョー・スピネル
G・D・スプラドリン
リチャード・ブライト
ガストーネ・モスキン

ゴッドファーザー PART IIのネタバレを含む場合があります

以下「ゴッドファーザー PART II」の感想・評価・レビューの内容は、ネタバレを含む場合があります。
ゴッドファーザー PART II」をまだご覧になられていない方は、十分にご注意ください。

ゴッドファーザー PART IIのあらすじ・ストーリー

前作で亡くなった父ヴィト・コルレオーネがドン・コルレオーネになるまでと、前作の後日談としてドン・コルレオーネとなった息子マイケルを描く。

1901年、イタリアのシチリア島コルレオーネ村で生まれ育った少年ヴィト。地元を牛耳るマフィアのドン・チッチォに逆らったことで父が殺され、兄も母も続けて殺されたヴィトは、一人アメリカに渡った。ニューヨークに着くと入国管理の担当の読み違えで、ヴィト・コルレオーネで登録される。

成長したヴィト(ロバート・デ・ニーロ)は結婚し、長男ソニーも生まれた。ヴィトは個人商店に勤めていたが、街を支配していたファヌッチ(ガストーネ・モスキン)のせいで辞めることになる。家族を養うために困っていたところ、クレメンザ(ブルーノ・カービー)と出会い、窃盗で稼いでいった。しかし上手く稼いでいることを知ったファヌッチがヴィトにみかじめ料を払うよう言ってくる。ヴィトは話を持ち帰ってクレメンザに話し、自分に任せろと仕方なく払おうとするクレメンザを落ち着かせ、後日ヴィトは一人ファヌッチを撃ち殺した。
街から嫌われていたファヌッチが消え、ヴィトが殺したことも黙認された。街のみんなからは頼れる存在となり、弱い者の味方でヒーローになっていった。

数年後、ヴィトは故郷コルレオーネ村を訪れる。ヴィトはドン・チッチォを訪ね、かつて父・母・兄を殺された復讐を果たしたのだった。

一方、1958年、父ヴィトを継いで権力を得たマイケル・コルレオーネ(アル・パチーノ)は、ネバダに拠点を移していた。
ある日自宅で開かれたパーティーには大勢の参加者が訪れていた。そんななか、マイケルを訪ねる人が跡を立たず、ニューヨークにいたクレメンザの跡を継いだフランク(マイケル・V・ガッツォ)も訪れていた。フランクはクレメンザから縄張りを譲り受けたのに、同じくクレメンザから譲り受けたと言い張るロサト兄弟と揉めている相談をしてきた。ロサト兄弟のバックにはマフィアの大物ロス(リー・ストラスバーグ)がいるため、大事にしないよう我慢しろとフランクを落ち着かせて返すが、その晩マイケルの寝室に銃撃を受ける。犯人は特定できなかったが、襲ってきた人間がニューヨークのやつである予想から、拠点のことはすべてトム(ロバート・デュヴァル)に任せ、ボディガードのミオを連れてマイアミのロスのところへ向かった。

マイケルはロスに、襲撃されたこと、犯人はフランクということ、フランクを始末することを伝えた。次にマイケルはニューヨークのフランクの元へ向かい、ロサト兄弟と話し合いをさせるよう伝えた。その通り話し合いのためにロサト兄弟に会いにきたフランクは、ロサト兄弟に襲われてしまうが、たまたま不審に気づいた警官が入ってきて助かる。しかしフランクはマイケルが自分をハメたのだと考える。

後日、マイケルはロスの誕生日パーティーに誘われた。マイケルの兄フレド(ジョン・カザール)もやってきて、マイケルはロスが自分を狙っているからロスを暗殺することを伝えた。
フレドはロスもジョニーも初対面だと言っていたにもかかわらず、口を滑らせ親交があったことがマイケルに知られる。マイケルはフレドが裏切り者だと気付き、心底悲しみ怒った。

マイケルはロスを問い詰め、ロスもマイケルに殺されたモー・グリーンを世話していたことを告げ、マイケルを責めた。マイケルはロッコにロスと側近ジョニーの暗殺を指示したが、ジョニーは始末できたが、ロスを殺すことは成功せず、ミオは殺されてしまう。

マイケルは自宅に戻り、ケイが流産したことを知る。フレドの裏切り、ケイの流産、悲しみでいっぱいなところ、今度は組織犯罪に対する特別委員会が開かれ、マイケルが告発された。マイケルに裏切られたと怒っているフランクが証人になろうとしていたところ、どうにかフランクの兄を呼び寄せて弱み握り、フランクは証人になることを拒否。マイケルは証拠がなく終わった。

すると今度は、ケイが子どもと出ていくと言い出した。マイケルについていけない、流産ではなく堕胎だと告白し、マイケルは激怒。お腹の次男を殺した妻を家から追い出した。
その後、マイケルの母も亡くなり、家を離れていたコニー(タリア・シャイア)やフレドと久しぶりに会うことになった。兄と妹と和解したかに思えたが、マイケルは精算する。

フランクは自殺するよう仕向け、ロスは空港でロッコに暗殺させ、フレドは釣りに出るところをアルに暗殺させたのだった。

ゴッドファーザー PART IIの予告動画または関連動画

ゴッドファーザー PART IIをみた記録

前作がおもしろすぎたのか、パッとしないストーリー、なによりわかりにくい。マフィアの抗争は前作のわかりやすさから一変、きっと脚本をじっくりと読めばおもしろい話なのかもしれないけど、ぜんぜん理解できずに進まざるを得なかった。

人物が登場するまえに名前が出てきたところからプチパニック、その後誰がロス?誰がジョニー?と思うたびにストーリーからは置いていかれてしまって、帳尻が合うころにはコルレオーネファミリーが窮地に。気づけば裁判がはじまり、マイケルも召喚され、妻は堕胎、家族もバラバラ。

若き日のヴィト・コルレオーネがいかにして成功しゴッドファーザーとなったのか、と父亡きあと末っ子マイケルが拠点をラスベガスに移し、ファミリーをどう守っていくか父の意思を継いでいくか、を時代を分け描かれるのだけど、若きヴィト・コルレオーネをロバート・デ・ニーロが演じ、ヴィト・コルレオーネ本物の若い時と思ってしまうような、完ぺきな役作りは素人目でも鳥肌が立つ。1910年代と1950年代〜が交差する構成は、映画が制作された1970年代であれば斬新だったはず。単純明快な前作と比べると、格段に知恵と手間をかけ丁寧に作られている感がある。

ただ、要である“ヴィト・コルレオーネがいかにして成功しゴッドファーザーとなったのか”がなかなかピンとこなかった。ヴィト・コルレオーネの生い立ち、クレメンザとテシオ(テシオはいつの間にかいたけど)の出会い、街を支配するチンピラのようなファヌッチを殺し、いつの間にか街のヒーローになっていた。この経緯はあと少しでも細かく描いてくれたら、みんなの頼れるドン・コルレオーネの誕生をもっと自然に感じることができていたはずだと思う。

さらに、かつて父・母・兄を殺されたドン・チッチォへの復讐を果たすも、前作でのドン・コルレオーネは復讐では何も解決しないという考えとリンクさせる描写を見つけることができなかった。復讐したが父は帰ってこないし、母も兄も戻ってこない、と思ったのか、何ら変わらないと思ったのか、スッキリしたけど二度と故郷に戻れない代償を背負ったからなのか、のちのドン・コルレオーネにつながる描写がないのは物足りなかった。

一方、父を亡くして奮闘するマイケルは、父の考えとは逆に向かうような言動で、ファミリーを危険にさらし、兄弟や妻との関係も崩れはじめ、進むにつれて小難しい話が出てくる。特に、この手のストーリーには騙し騙され的なやり取りが多いから、真実を追うのが大変。重要なようで重要ではない登場人物もあって、まぁわかりにくい。

これでも二作連続でアカデミー賞を受賞し、そもそもフランシス・フォード・コッポラ監督作品だし、巧妙な仕掛けがたくさんあって、細部にまでこだわりがある映画なのだから、あたしの見方に非があることは間違いない。

ただ、はやくパート3がみたくなっちゃったのは隠せない。前作もそうだけど、み終わったあと優越感というか、誰かを押しのけて大金を手に入れたような、貴重なものを手に入れてしまったみたいな気持ちになるのはなんなんだろう。なんとなく、フランシス・フォード・コッポラ監督やアル・パチーノ、ロバート・デ・ニーロという役者の歴史を見たようで悦に浸ってしまっているような気がする。

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