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吉原炎上

吉原炎上

いまや超王御所女優たちが、吉原の花魁を演じ、いまも五社英雄監督といえば…に挙がる映画。
どこまでが本当で、どこが脚色なのか定かではないけど、小さなころに深夜にでもやってたのかな〜、西川峰子(いまは仁支川峰子)がこわくて強烈だったのを覚えてる。
おとなになったいま、女としてもう一度みてみたんだ。

WOWOWの特集:五社英雄が描く修羅と官能で4作品流れる最初のひとつだよ。以降はこちら→「肉体の門(1988)」、「陽炎」(1991)。

吉原炎上の映画情報

  • 1987年制作
  • 133分
  • 日本制作のドラマ映画
  • 映倫(-)
監督
五社英雄
キャスト
名取裕子
二宮さよ子
藤真利子
西川峰子
かたせ梨乃
根津甚八
吉原炎上のネタバレを含む場合があります

以下、「吉原炎上」の感想・評価・レビューの内容は、ネタバレを含む場合があります。
吉原炎上」をまだご覧になられていない方は、十分にご注意ください。

吉原炎上のあらすじ・ストーリー

明治40年、久乃(名取裕子)19歳は中梅楼へ遊女として売られた。この子は稼ぐと期待され、若汐という名で花魁として初見せされた。
中梅楼を発つ花魁、中梅楼で狂う花魁たちを横目に、若汐も徐々に花魁として自覚していく...。

吉原炎上の感想・評価・レビュー

東京は浅草の一隅に、吉原遊郭と呼ばれる日本最大の歓楽の別天地がありました。
東西三町、南北二町の周囲はお歯黒溝と大門で仕切られ、借金に縛られた娘たちが6年〜8年の歳月をこのなかで過ごし、あらゆる男たちに春を売っていたのです。

冒頭、このナレーションからはじまる。
とってもわかりやすい。いい言葉ではないけど、春を売るって表現がとてもすき。昔のひとはよく考えたなって感心する。

映画のなか、少しばかしむつかしい言葉もあるけど、なんとなくは想像つく。さすがに子どものころにみたときの印象とはだいぶちがうけど、壮絶な遊女の話でもなかった。

吉原への道はふたつあると言えましょう。
男は通う極楽道、娘が売られる地獄道

この言葉通り、女の価値はとんでもなく低く、ましてや吉原のなかでは花魁という人形。自我を持つことも許されない。
という印象だけど、たしかに不自由な部分はあるけども、そこまでひどいとはおもわなかった。

親の借金のために売られ、体で返していくというだけで過酷な人生ではある。
だけど、うまくいけば数年で金持ちの旦那に嫁いでいく。それなりに花魁として稼いだ者だけが手にできるしあわせのようだけど、気を失わなければたいがいが嫁げそうにみえた。
むしろ、数年いただけで熱を上げすぎというか、人のぬくもりなんて毎日感じているなかで、特にすきになった男のぬくもりは恋しくて愛しいものになるのは理解できるけど、その割にじぶんのプライドを捨てられず、花魁という名のキャリアウーマンみたいになってる。

自尊心が芽生えていくのは、仕事をしていくと勝手に芽生えていくのかもしれないけど、春を売ること、女を売ることにプライドを持ってしまったのだから自業自得だ。
“美しくも悲しい話”なんていうのは相応しくないとおもってる。

嘘はいつかバレる。嘘でできたものは必ず壊れる。そんなのは吉原でなくても常識中の常識だ。
そもそも売られてくる娘たちはとても若く未熟だ。だからいろいろ邪なことを考えたりするのも理解できる。
だけど、彼女たちには希望があるようにみえる。いつかじぶんの店を持つんだ〜なんていう夢もそうだし、金持ちに嫁ぐ夢もそう。ハタチ前の若い娘たちが、8年売春して20代後半、当時では20代後半ともなると年増なのかもしれないけど、まだまだ肉体的にもピンピンしているはずだ。
夢も希望もないあたしにしてみれば、十分に希望に満ち溢れているようにしか見えなかった。
もちろん狂わなければの話だけども。

売れ残って狂ってしまったら問題かもしれないけども、あれだけ家族のような存在がたくさんいるなかで、よくも孤独のような口を叩ける。
同じ境遇の娘たちがたくさんいるなかで、下克上だとしても生活はできるし友だちのような存在もある。
あたしみたいにひとりぼっちではない。
それだけ自由のない生活が苦しいということなんだろうけど、なぜ解放まで待てないか。。。
さらには、男を酔わせる花魁も、最後は男に酔って終わりを迎えるのも皮肉な話だ。遊女を拒否した割には、花魁としてのプライドが立ち、そして男に依存していく。
結局はやりたいようにやっているようにみえる。

それくらい我慢しろ!というわけではないけど、イヤな仕事は山ほどある。なかでも体を売る商売は経験がないし、相当な精神をすり減らすことになるに違いないけど、その描写は吉原炎上では乏しい。
謙虚で引っ込み思案だった若汐も紫の名を持ったら、急に花魁道中が夢だと語る。彼女が花魁として芽生えていって、テッペンとりたい!と思うようになる描写ももっと描くべきだ。
でないと、ただのラッキーガールだ。彼女の努力はうかがい知れないもの。なにをしなくても美貌で勝ちあがれるという印象もどうしても感じられなかったしな〜。

かたせ梨乃や西川峰子の方が、吉原で生きる女としておもしろそうなんだけどな。

吉原炎上の予告動画・関連動画

役者について思うこと

西川峰子

おとなのいまでもこわかったぜ。
当時たぶん27〜28くらいだとおもうけど、花魁としては年増の部類。挙句には病気。
嘘で塗り固めた人生は真っ赤に終わっていく。
あたしにとっては名取裕子よりも印象が強くて、すんごくこわい。
なに言ってるかよくわかんなかったけど、「お願いだから、抱いて!ここを噛んで!」(たぶん)と叫ぶシーンは、まさに迫真の演技じゃん。超カッコイイ。
品がないお顔だから、余計にかっこいい。このひとすきだわ〜

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