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2018.8.14

万引き家族

万引き家族

第71回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞。話題中の話題(すこし遅めだけど)の映画!

おそらく、まもなく公開終了になるのかなってゆ一日に一回上映のタイミングで滑り込み!

万引き家族の映画情報

原題
制作年 2018年 制作国 日本
上映時間 120分 ジャンル ドラマ
映倫 PG12
オフィシャルWeb https://gaga.ne.jp/manbiki-kazoku/
監督 是枝裕和
キャスト

リリー・フランキー
安藤サクラ
松岡茉優
池松壮亮
城桧吏
佐々木みゆ
緒形直人
森口瑤子
山田裕貴
片山萌美
柄本明
高良健吾
池脇千鶴
樹木希林

万引き家族のネタバレを含む場合があります

以下「万引き家族」の感想・評価・レビューの内容は、ネタバレを含む場合があります。
万引き家族」をまだご覧になられていない方は、十分にご注意ください。

万引き家族のあらすじ・ストーリー

街角のスーパーで、鮮やかな連係プレーで万引きをする、父の治(リリー・フランキー)と息子の祥太(城桧吏)。肉屋でコロッケを買って、寒さに震えながら家路につくと、団地の1階の廊下で小さな女の子(佐々木みゆ)が凍えている。母親に部屋から閉め出されたらしいのを以前にも見かけていた治は、高層マンションの谷間にポツンと取り残された平屋に女の子を連れて帰る。母の初枝(樹木希林)の家で、妻の信代(安藤サクラ)、彼女の妹の亜紀(松岡茉優)も一緒に暮らしている。信代は「もう少し金の匂いのするもん拾ってきなよ」とボヤきながらも、温かいうどんを出してやり名前を聞く。「ゆり」と答える女の子の腕のやけどに気付いた初枝がシャツをめくると、お腹にもたくさんの傷やあざがあった。深夜、治と信代がゆりをおんぶして団地へ返しに行くが、ゆりの両親が罵り合う声が外まで聞こえる。信代には、「産みたくて産んだわけじゃない」とわめく母親の元に、ゆりを残して帰ることはできなかった。

翌日、治は日雇いの工事現場へ、信代はクリーニング店へ出勤する。学校に通っていない祥太も、ゆりを連れて〝仕事”に出掛ける。駄菓子屋の〝やまとや”で、店主(柄本明)の目を盗んで万引きをするのだ。一方、初枝は亜紀を連れて、月に一度の年金を下ろしに行く。家族の皆があてにしている大事な〝定収入”だ。亜紀はマジックミラー越しに客と接するJK見学店で働き、〝4番さん(池松壮亮)”と名付けた常連客に自身と共鳴するものを感じ、交流がはじまる。

春の訪れと共に、「荒川区で5歳の女の子が行方不明」というニュースが流れる。両親は2ヶ月以上も「親戚の家に預けた」と嘘をついていたが、不審に思った児童相談所が警察に連絡したのだ。ゆりの本当の名前は「じゅり」だった。呼び名を「りん」に変え、髪を短く切る信代。戻りたいと言えば返すつもりだったが、じゅりはりんとして生きることを選ぶ。信代は、「こうやって自分で選んだ方が強いんじゃない?」と初枝に語りかける。「何が?」と聞かれた信代は、「キズナよキズナ」と照れながらも、うれしそうに答えるのだった。

時は流れ、夏を迎え、治はケガが治っても働かず、信代はリストラされるが、それでも一家には、いつも明るい笑い声が響いていた。ビルに囲まれて見えない花火大会を音だけ楽しみ、家族全員で電車に乗って海へも出掛けた。だが、祥太だけが、〝家業”に疑問を抱き始めていた。そんな時、ある事件が起きる──。

引用元https://gaga.ne.jp/manbiki-kazoku/about.html

万引き家族の予告動画または関連動画

万引き家族をみた記録

こんなにも重く深い話とは。そうじゃなくてはパルム・ドールなんてものは受賞できないのかもしれないけど、まさかこんなにも打たれちゃうとは予想外。

なんと言っても、伝えたいことが多すぎる。こんなにもアタックしてくる映画も珍しい。
“人の絆”がテーマだけど、そのなかにある要素がとてつもなく多くて、感情が追っついていかないかんじ。映画館のなか、すすり泣く声も聞こえたけど、あたしの場合はどこで泣いたらいいか忙しいくらいポイントが多かった。

しかも、この映画はハッピーエンドではなく、正真正銘のバッドエンドで、希望があるようでまったくなく、完全に真っ暗闇に放り出されるような、そんな印象。
映画のなかでは、残念ながら解決する方法はわからなかった、さて大人の皆さんどう思いますか?どうしたらいいですか?子どもたちのためにどんな未来にしたいですか?て問うてる映画なんだと解釈。
家族の定義、血縁の定義、兄妹の定義、愛の定義、モラルの定義、絆の定義、それぞれとても曖昧なもので、それら定義付ける糸口はすべて”人”。どう感じるかも人、どうしたいかも人、どうなりたいかも人、どんな環境かも人、すべて人!

どこか希望があるとしたら、バラバラになっても隣にいなくても、不可思議なことでできた絆が思い出に残っていること。唯一、その絆があった事実だけが彼らの希望。
悲しいけど、あたしもどうしたらいいかわかんないなー。こうゆー問題に触れられただけマシなのかもしれないけど、思いっきり無力とゆ気持ちにならざるを得ないよね。

このひとはなぜここにいるんだろとか、いくつか疑問もあったけど、運命のように集まったこの他人同士たちが過ごした思い出は、とてつもなく強いのと同時にあまりにも弱く、結果、なんの解決にもならなかったみたいな。

なんて悲しい映画。たしかに多くの大人がみるべき映画だ。そして、みんな他人には説明できない、それぞれにとっての絆や事実があって、そして、どうにもならないことがある。

こんな映画でも、大爆笑のポイントが2つあった。
松岡茉優ちゃんをみて「カワイイすね〜」と言った日雇いリーダーにリリーフランキーが答えた「ばあちゃん?」のシーンと、「スイミーって知ってる?」と聞いたしょうたにリリーフランキーが答えた「あー、俺英語わかんねーからなー」の2つ。品のいいお客さんが多かったのか、映画館のなか、ぜんぜん笑っていなかった。