
オリバー・サックス医師のノンフィクションが原作。
第63回アカデミー賞で作品賞、主演男優賞、脚色賞でノミネートされた。(一覧は「アカデミー賞作品を気長にみよう作戦」で。)
ペニー・マーシャル監督の他の映画は知らない。レナードの朝の脚本を書いたのはスティーヴン・ザイリアンで、「シンドラーのリスト」や「ミッション:インポッシブル」「ハンニバル」「ギャング・オブ・ニューヨーク」「ザ・インタープリター」「アメリカン・ギャングスター」「ドラゴン・タトゥーの女」を書いている。ゴイスー。
レナードの朝の映画情報
- 1990年制作
- 120分
- アメリカ制作のドラマ映画
- 映倫(-)
- 監督
- ペニー・マーシャル
- キャスト
- ロバート・デ・ニーロ
ロビン・ウィリアムズ
ジュリー・カヴナー
ルース・ネルソン
ジョン・ハード
ペネロープ・アン・ミラー

以下、「レナードの朝」の感想・評価・レビューの内容は、ネタバレを含む場合があります。
「レナードの朝」をまだご覧になられていない方は、十分にご注意ください。
レナードの朝のあらすじ・ストーリー
研究を専門にしてきたマルコム・セイヤー医師(ロビン・ウィリアムズ)は、慢性神経病患者専門の病院に赴任してきた。
セイヤーは根気よく患者たちに寄り添って治療の糸口を探していると、反射神経があることに気づいた。
さらに、パーキンソン病の新薬を使うことを試みると、最も重症と思われるレナード(ロバート・デ・ニーロ)が30年ぶりに自我を持って目覚めたが...。
レナードの朝の感想・評価・レビュー
やっぱり大きいのはこれが実話がもとだということ。どんなシーンでも、これが本当にあったことなのだと思うと、痛いほどに伝わるよね。
30年間ぽっかりと空いた穴、どうやっても埋めることができないもので、目が覚めたからといって自由がない環境。また眠ってしまうのではないかという恐怖。
さらなる追い討ちとして、またぽっかりと穴が空くように眠りに入ってしまう恐怖と寂しさ。
死ぬわけではないけど、死ぬに等しいくらいの覚悟を持たないといけないレナードは、見た目はミドルだけど、中身は子どもじゃないか。恋したポーラと踊るシーンは、もう何にもいえないくらい辛いものがあったよ。
セイヤー医師の献身的で思いやりのある人柄も心を打たれるね。彼のように、何かのためになる仕事をしたいと思っちゃったり。
レナードとの心あたたまる友情もそうだけど、難病に挑む医師の姿は心打たれる。おかげで、周りの看護師たちも彼の影響で患者たちの扱い方、接し方も変わってくる。
全部の要素がとても大事で、うまく絡み合っている。
なんでもバランスが大事ね。



役者について思うこと
ペネロープ・アン・ミラー

入院する父を見舞う献身的な娘ポーラを演じたペネロープ・アン・ミラー。レナードが惚れ込むのはごくごく自然で、レナードが一瞬で恋に落ちるのは、人が呼吸をするようにふつうというか、劇的な出会いとかではないのだけど運命的な出会いだった。
特別な演出があるわけでもないのに、ポーラがとてつもなく美しく見えたのは、レナードとあたしおなし気持ちだろう。
レナードにとっての一筋の大きな光というか希望というか。
でもその光がどんどんか細くなっていくのに、ポーラへの愛を全身に刻み込もうとしたレナードを受け止めながら涙を流すポーラに全身が震えたよ。こんなに切ない気持ちになるとは。
この映画はだれの演技が光るとかではなく、特に患者を演じていたみんながいわゆる迫真の演技というやつで、すばらしかったよ。