2019.4.27
キングダム(2019)
漫画キングダムを映画化。脚本には原作の原泰久も加わってるらしい。
公開から1週間、ヒット具合はどんなもんなんだろう。現時点で、映画.comのランキングでは「名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)」(2019)に次いで2位だったよ。
ついこのまえみた「いぬやしき」(2018)の佐藤信介監督なんだね。
キングダム(2019)の映画情報
原題 | |||
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制作年 | 2019年 | 制作国 | 日本 |
上映時間 | 134分 | ジャンル | アクション |
映倫 | G | ||
オフィシャルWeb | https://kingdom-the-movie.jp/ |
監督 | 佐藤信介 |
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キャスト | 山崎賢人 |
以下「キングダム(2019)」の感想・評価・レビューの内容は、ネタバレを含む場合があります。
「キングダム(2019)」をまだご覧になられていない方は、十分にご注意ください。
キングダム(2019)のあらすじ・ストーリー
時は紀元前245年、春秋戦国時代の秦という国。ふたりの若き下僕の少年の信(山崎賢人)と漂(吉沢亮)は、天下の大将軍になる夢を抱いていた。
ある日、大臣の昌文君(高嶋政宏)が漂を王宮で働くよう訪ねてきた。漂は当然、信との夢を叶えるために王宮へ入ることにした。
しかし数日後、とつぜん信のところへ傷だらけで戻ってきた漂。王宮では王弟が反乱を起こし、王を守るよう信に託し、信の腕のなかで漂は死んだ。
悲しみと怒りのなか、信は漂から受け取った地図の場所へ向かい、たどり着いた黒卑村の小さな小屋には漂と瓜二つの秦国王嬴政がいた。信は、王弟の反乱で追われた嬴政は、万一に備え漂に偽の王の役割を与え、漂は王と間違われて命を落としたことを知る。王を守るために漂が死んだことに怒り狂うが、天下の大将軍になる夢のため秦王についていく決意をしたが…。
キングダム(2019)をみた記録
日本の映画には珍しい、大きなスケールで大きな予算をかけた大きな映画!総じて、とてもたのしかったよ。続編もちろんあるんだよね?はやく作ってほしいな。
時は紀元前245年、春秋戦国時代の秦という国。ふたりの若き下僕の少年の信と漂は、天下の大将軍になる夢を抱いていた。
ある日、大臣の昌文君が漂を王宮で働くよう訪ねてきた。漂は当然、信との夢を叶えるために王宮へ入ることにした。
しかし数日後、とつぜん信のところへ傷だらけで戻ってきた漂。王宮では王弟が反乱を起こし、王を守るよう信に託し、信の腕のなかで漂は死んだ。
悲しみと怒りのなか、信は漂から受け取った地図の場所へ向かい、たどり着いた黒卑村の小さな小屋には漂と瓜二つの秦国王嬴政がいた。信は、王弟の反乱で追われた嬴政は、万一に備え漂に偽の王の役割を与え、漂は王と間違われて命を落としたことを知る。王を守るために漂が死んだことに怒り狂うが、信を追ってきた刺客の朱凶に襲われ、信ははじめて人を切った。
さらなる追っ手が迫るなか、黒卑村から抜け道を知っている河了貂の案内で王族の避暑地へ向かう途中、漂は大将軍になる夢を叶えるために王の身代わりになった決意を知り、秦王への怒りをこらえ、秦王についていく決意をした。
避暑地へたどり着くと、あとから秦王に仕える昌文君や壁たちの軍30人が到着した。みんなで王弟の反乱を止める策を考えるが、8万の軍に太刀打ちできるわけがなく、そこで思いついたのは山の民に助けを乞うことだった。
かつて400年前、秦王穆公は山の民と同盟を結ぶも、次の王となるとその同盟はなかったかのように山の民は平地を追われ、山へと戻らざるをえなかった。そんなわだかまりが残るはずの山の民と今一度、同盟を結ぶため秦王一行は山の王のもとへ向かった。
山の民はすでに秦王たちの動きを察知していたのか、突如秦王たちのまえに現れ、山の王のもとへ連れて行った。秦王はかつての秦王たちの山の民への愚行を謝罪し、そして山の民に同盟を持ちかけた。山の王楊端和は、秦王の説得に耳を傾け、秦と山の民の同盟がふたたび結ばれた。
早速、王宮へ向かった秦王たちと山の民、作戦は山の民に扮して王宮へ入ったところで攻撃開始、二手に分かれて信たち10人で隠し通路へ向かい王弟を殺すというものだった。
計画通り、秦王自らも剣をとり戦い、信たちは隠し通路から王弟のもとへ向かった。途中、ランカイや佐慈を撃破し、王弟を追い詰めることができた。
秦王は、クズな王弟を、人々の痛みを知れと殴った。信は、俺たちの勝利だと叫び、王弟の反乱を沈めた。
待ちに待った、漫画キングダムの映画化!超たのしかった〜。王弟の反乱を2時間強の映画にまとめるために、原作はすこし変えられていたけど、もしかして映画のほうが話が滑らかなんじゃないかとおもうくらいスムーズで拍手。
と同時に、漫画と熱量の違いが気になった。主人公信だ。コピーが”すべて、奪還する。”だったのにも納得。信は割と脇役のような存在かもしれない。秦王の目標が大きすぎて、これ主人公は秦王なんじゃないかと思わされるよ。予告動画でも、”奪還はひとりの奴隷の少年に託された”なんてかっこよく言っているけど、そんな重いシーンなくするする〜っと回廊入ってっちゃったしな。
どれだけ信が逸脱した強さで、存在で、情熱を持っているかが漫画では描かれているけど、それよりも始皇帝となる少年の器量を知らしめているような、そっちの視点のほうが強めにかんじた。それももちろん、悪くないんだけども、バカ一筋にがんばる信がすこしかわいそうな気持ち。
信が嬴政を守った、というエピソードも消されて、むしろ嬴政が信を背負って避暑地までたどり着いたり、嬴政のゲキあってこそ耐えぬいた戦いだったりして、肝心の信の戦いっぷりは意外と褒められることなく流れていった。天下の大将軍になる!と何度も出てくるのに、秦王の目標のほうが大きすぎてな、少々霞んでたような。
そして、なにより映画を素晴らしいものにしていたのはベテラン俳優たちだ。石橋蓮司、加藤雅也、高嶋政宏、大沢たかお、、、なんなんこのひとたち、超上手。きのうみた「ダイヤルM」(1998)のマイケル・ダグラスをみていて落ち着く〜と思っていたあの感情とおなしものがあった。特に高嶋政宏は相当よかった。このひとが役者してるところ、たぶんほとんど知らないんだけど、やっぱりめちゃくちゃすごい役者なんだなって思い知らされた。昌文君役にキャスティングしたひと超センスある。高嶋政宏はすごいわ、そんなに出ていなかったのに、めちゃくちゃ役者だった、めちゃくちゃかっこよかった。
気になる楊端和役の長澤まさみもとてもよかった。米倉涼子がよかったなんて言ってごめんね、長澤まさみちゃん。橋本環奈ちゃんもとっても河了貂でよかったよ。
大スケールの日本の映画。ふだん日本の映画はちょっとダサいと悪口言っているけど、キングダムは贔屓目があるにしても、よく作られていてたのしかった。
そうだ、山崎賢人くんも好きになったよ。とても信らしく演じていた。
そうそう、気になったのは山の民のバジオウとタジフの紹介を入れなかったこと。バジオウがダメージ食らってすっ飛んだとき信がバジオウ!と叫んだくらいで、特に紹介がなかったとおもう。とても重要な存在のはずのふたりなのに、楊端和が信頼し、さらに超強いバジオウとタジフを信に託して回廊に向かわせた、なんてのが10秒でも入っていたほうがよかったんじゃないの、なんておもったよ。
あともう一つ、無慈悲で怖くて超強い山の民が、主要メンバーを除いてカリカリだったことが気になる〜。なんだか力を抜いた、見えないからいいでしょ的なキャスティングなんじゃないかと思うくらい、端っこに見える山の民がカリカリでウケた。彼らはふだん、山の中で生活する人間離れした人間で、野生の凶暴な動物だって恐れるくらいの種族なはずなのに、しかも選ばれた精鋭40人のはずなのに、見切れる山の民は筋肉なんてなさそうなヒョロい男性が数人いたのは、ちょっと脱力。
高嶋政宏
秦王の側近として秦王を守る昌文君役。こんなにすごい役者だったとは。
主演ふたりを邪魔することなく存在感は抜群、落ち着いたお芝居ってかんじのクソベテランで、めちゃくちゃかっこいい。ちょっとおかしな人というイメージがあるけど、いろんな意味で納得。濃さがハンパじゃないけど、いわゆるカメレオンなのかな、この役者。ドラマや映画の活躍をほとんど知らないから、ほんとビックリしたのと同時に、超リスペクト!