2022.9.11
スリーピー・ホロウ
ワシントン・アーヴィングの1820年ころの小説「スリーピー・ホローの伝説」が原作。監督は、「バッドマン」(1989)や「シザーハンズ」(1990)などのティム・バートン。当時、興行収入200億円以上のヒット。第72回アカデミー賞で美術賞を受賞。
リンジー・ビアを監督・脚本としてリブートが決定したのだとか。
カテゴリー:ホラー
スリーピー・ホロウの映画情報
原題 | Sleepy Hollow | ||
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制作年 | 1999年 | 制作国 | アメリカ |
上映時間 | 105分 | ジャンル | ホラー |
映倫 | PG12 |
監督 | ティム・バートン |
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キャスト | ジョニー・デップ |
以下「スリーピー・ホロウ」の感想・評価・レビューの内容は、ネタバレを含む場合があります。
「スリーピー・ホロウ」をまだご覧になられていない方は、十分にご注意ください。
スリーピー・ホロウのあらすじ・ストーリー
ニューヨーク警察のイカボッド・クレーン捜査官は、被害者の首が切断されるという謎の連続殺人事件を捜査するためスリーピー・ホロウに派遣される。
スリーピー・ホロウをみた記録
1799年の田舎の村が舞台。不気味で暗くて生命の匂いがしない閉鎖的なスリーピー・ホロウという村では首なし騎士に斬首される殺人事件が起きていた。ニューヨークから捜査に向かったのがジョニー・デップ演じるイカボッド捜査官。この時代は殺人事件や変死体が見つかった際、『疑わしい人間を拷問して自供させる』ことで解決することがふつうで、水死体が見つかれば死因は溺死と決めつけ、捜査は一切行われないのがニューヨーク市警だった。そんななかイカボッド捜査官は科学捜査が必要だと訴えていた。証拠や検証が必要だと訴えるイカボッド捜査官がうるさいので、ニューヨーク市警は彼にスリーピー・ホロウの殺人事件をその科学捜査とやらで解決してこいと命じたわけだ。
それらしい科学捜査少々、推理少々で進み、導き出したというよりは、たまたま行き当たったような雰囲気で解決へ展開した。とはいえ、なにせホラーなので結果的に科学も何も…というファンタジーな展開になるのでなんとも言えないのだけど、イカボッド捜査官が捜査していなかったらこんなラストは迎えないだろうから功を奏したのは確か。信じていなかった首なし騎士を目の当たりにしてからのプルプル具合も乗り越えて、最後の最後で事件解決に導いた。
時折イカボッド捜査官の幼少期の思い出が回想されるけれど、幼少期からのトラウマのようなものから解放されず、未だに苦しい気持ちがあることは理解できたが、それが解決にどうつながって導いたかがイマイチわからなかったのだけど、単に科学だ証拠だと言っている能天気捜査官ではなくデリケートな一面も持つ以外に役割があっただろうかとは考えた。この100年くらい前まではヨーロッパで魔女狩りがあったくらいなので、アメリカでも魔女と恐れられる存在がいたことを示したかったのか。カトリーナとの縁を結びつけたかったのか。
よかったのは、イカボッド捜査官の助手マスバスくんだ。マスバスくんは母を亡くし、父を首なし騎士に殺され、敵討ちを狙う少年。母がいなくて父は村長に雇われていた従者で、教養が低そうなのだけどそんなことがなくて。こんなに閉鎖的でさびれた村なのに、割ときちんとした教育がされている雰囲気で、なかでもマスバスくんは優秀な少年だったに違いない。たまに勘違いもあるけど、ピュアでまっすぐで勇敢で気の利くいいこだった。必要かよくわからない助手なだけに重要そうだったが、特にキーパーソンでもなかったのだけど、この村には存在しない希望が彼には感じられたので注視していた。
総じて『雰囲気のある映画』という印象で、終始どんよりした世界観がポイントだろう。サスペンス性よりはティム・バートンが作り上げたこの世界観を味わうのだろう。薄気味悪いキャラクターたちもそう、血しぶき多めのホラー、クリストファー・ウォーケン(超的役!)の存在感。もう20年以上前の映画なのだけど、この雰囲気完ぺきだよね。公開当時めちゃめちゃ怖かった記憶あるもん。