2025.5.26

ゾディアック
原作はロバート・グレイスミスによるノンフィクション小説「ゾディアック」(1986)
第60回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールにノミネート。
ゾディアックの映画情報
原題 | Zodiac | ||
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制作年 | 2007年 | 制作国 | アメリカ |
上映時間 | 157分 | ジャンル | クライムサスペンス |
映倫 | PG12 | ||
オフィシャルWeb | https://warnerbros.co.jp/home_entertainment/detail.php?title_id=2397/ |
監督 | デヴィッド・フィンチャー |
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キャスト | ジェイク・ギレンホール |

以下「ゾディアック」の感想・評価・レビューの内容は、ネタバレを含む場合があります。
「ゾディアック」をまだご覧になられていない方は、十分にご注意ください。
ゾディアックのあらすじ・ストーリー
“ゾディアック”と名乗る連続殺人犯と、その事件の解決に挑む者たち。「殺人」と「真実の究明」という全く逆の立場にいる人間たちが、謎が謎を呼ぶ事件を巡り、次第にその運命を狂わされていく・・・。
引用元https://warnerbros.co.jp/home_entertainment/detail.php?title_id=2397/
ゾディアックをみた記録
現実を忘れてストーリーに夢中になりたいときにみるのがよさそう。何度みてもおもしろいので、長尺だから時間の余裕は必要だけど、長さを感じさせないおもしろさがある。おそらく3回はみているが、4回めの今回ですら没頭できた。
実際に起きた未解決事件なのでスッキリとすることはないが、少しずつ真実に迫っていく展開は没頭させられる。みている最中、まさか3時間もあるだなんて気づかないくらい取り憑かれたようにのめり込んでいく。
ポール・エイブリーの推理、警察側の推理、そしてグレイスミスの推理、それぞれが同時に連携していたわけではないためパズルのピースがところどころくっついている程度のぐちゃぐちゃ状態。異常者の挑戦状から真実に迫る様は夢中で追ったが、それをグレイスミスがひとつずつ整理して、埋め直していく後半になるとさらにグッとおもしろさが増す。おかげで3時間があっという間で、悔しい気もちは残るものの、それだけ没頭できたということ。たくさんの名前が出てくるから、その名前だれだっけ!が時に起きてしまうが、グレイスミスの推理編に入るとだいぶわかりやすくしてくれている。
残念なことに犯人を逮捕することはできなかったが、被害者ではない人間の人生をも変えてしまうくらいの影響を与えた事件だったこと、当時の警察の捜査は最大限に努力していたことをよく理解できた。
そしてさらに興味深いのが、ゾディアック事件の最中、解くことができなかった暗号が2020年にアメリカの一般人が解読したのだそう。解読された内容から新たな手がかりは見つからなかったが、すごいことだよね。映画のエンディングでは、サンフランシスコ市警は2004年に捜査打ち切り、ほかではまだ捜査中とあった。まだどこかで事件の真相を追っているひとがいるということで、それもまた皮肉なことにこの映画をおもしろくさせている。
現代の捜査だったら逮捕できたことなのだろうから、有志が今後真犯人を突き止めるかもしれないね。
ジェイク・ギレンホールはすこし弱っちいほうが光る気がする。常になにか悲観しているんじゃないかと思わせておいて、ぜんぜんなにも考えてない、みたいな犬のような表情がとても惹かれる。
マーク・ラファロは情熱的な役柄がよく合う。知的な雰囲気があるとはいえないが、情緒的かとおもいきやとても常識人!というギャップがいい。
アンソニー・エドワーズはやさしい眼差しにとにかく惚れぼれする。どうしてもお医者のイメージが離れないが、まじめな愛妻家で誠実な雰囲気が特にこの事件を追う刑事としての信頼感と説得力を大いに手伝っていた。
三人ともすきな俳優だから、際立ってすきな映画のひとつなのかも。