映画紹介・映画レビュー《ポップコーン》

映画を探す・検索

2022.1.9

9人の翻訳家 囚われたベストセラー

9人の翻訳家 囚われたベストセラー

ダン・ブラウンの小説「インフェルノ」の翻訳者たちが地下室に2ヶ月間閉じ込められた実話をもとに作られたミステリー。

9人の翻訳家 囚われたベストセラーの映画情報

原題 Les traducteurs
制作年 2019年 制作国 フランス、ベルギー
上映時間 105分 ジャンル サスペンス
映倫 G
オフィシャルWeb https://gaga.ne.jp/9honyakuka/
監督 レジス・ロワンサル
キャスト

ランベール・ウィルソン
オルガ・キュリレンコ
リッカルド・スカマルチョ
シセ・バベット・クヌッセン
エドゥアルド・ノリエガ
アレックス・ロウザー
アンナ・マリア・シュトルム
フレデリック・チョー
マリア・レイチ
マノリス・マヴロマタキス
サラ・ジロドー
パトリック・ボーショー

9人の翻訳家 囚われたベストセラーのネタバレを含む場合があります

以下「9人の翻訳家 囚われたベストセラー」の感想・評価・レビューの内容は、ネタバレを含む場合があります。
9人の翻訳家 囚われたベストセラー」をまだご覧になられていない方は、十分にご注意ください。

9人の翻訳家 囚われたベストセラーのあらすじ・ストーリー

ドイツのブックフェアの会場で、世界的ベストセラー「デダリュス」三部作の完結編「死にたくなかった男」の出版権を獲得したと、高らかに宣言するアングストローム(ランベール・ウィルソン)。出版社のオーナーである彼は、多言語の翻訳を同時にスタートし、この話題作を全世界で一斉発売すると確約する。

初日から注目を集めたのは、その若さで英語版を任されたアレックス(アレックス・ロウザー)だ。慣れない環境で緊張する翻訳者の中で、豪快に居眠りを続けていたのだ。

そのために選ばれた9カ国の翻訳者が、フランスの豪邸に集められた。携帯電話もパソコンもすべての通信機器を入口で没収された彼らが、助手のローズマリー(サラ・ジロドー)の案内で連れて行かれたのは、ロシアの富豪が核戦争に備えて作ったという広大な要塞のごとき地下室だ。小説の流出を防ぐために屈強な警備員が監視する部屋で、毎日20ページだけ渡される原稿を翻訳、1か月で仕上げ次の1か月で推敲するというスケジュールが言い渡される。食事は豪華で週1日の休日のための娯楽施設も完璧だが、隔離生活には違いなかった。

もう一人、ロシア語版のカテリーナ(オルガ・キュリレンコ)も、完全に浮いていた。「デダリュス」のヒロイン、レベッカに入れ込むあまり、彼女と同じ白いドレスを纏い、ヘアスタイルやメイクも忠実に再現していた。一方で、金のためだと開き直る、ギリシャ語版のコンスタンティノス(マノリス・マヴロマタキス)のような翻訳者もいる。毎日顔を合わせ、同じ目的へ向かううちに、打ち解け合った9人の翻訳者たちは、やがて迎えたクリスマスの夜、ローズマリーを招待して聖夜を祝う。ところが、日付が変わる頃、事件は起きた。アングストロームの携帯電話に、「冒頭10ページを流出させた。500万ユーロで損失は止められる。24時間以内に払わないと、明日、次の100ページもネットで公開する」という脅迫メールが届いたのだ。メッセージの最後には、その夜、皆で合唱した歌のワンフレーズが引用されていた。

原稿にアクセスできる関係者は、本名も素顔も非公開の作者オスカル・ブラックと、アングストロームだけだ。翻訳者の犯行だと確信したアングストロームは、次の100ページを配らなければ流出できないはずだと、翻訳作業を中止する。普段から反抗的なポルトガル語版のテルマ(マリア・レイチ)は、私物の捜査に抵抗するが、暴力も辞さない警備員たちに押さえつけられる。身の危険を感じた翻訳者たちは、「いつコピーした?」「ネット接続の方法は?」と推理するがすぐに行き詰まり、互いに疑いの目を向け始める。

引用元https://gaga.ne.jp/9honyakuka/

9人の翻訳家 囚われたベストセラーをみた記録

実はちょっと退屈に思ったところもあって、2日間にわけてみ終えた映画。

絶賛大ヒット中の小説の新刊を各国出版のために翻訳家が集められて、漏洩防止のために地下室へ監禁されながら仕事してくれと。すこし経つと、漏れていないはずの冒頭10ページが何者かによって公開される。新刊の原稿を知るのは出版社オーナーと翻訳家9人だけ。さて誰が漏らしたでしょうか。

気になったのは、みているひとたちを惑わせようとしている感が強めなところ。翻訳家たちはたいがい、この小説『デダリュス』のファンで、中には陶酔しきっている信者のようなひともいた。いくら好きでも、そんなことふつうの世界だったら言わないでしょ、と思うような、ちょっと変わったひとたちが多いのは、国の文化の違いとかではないと思うんだよな。ちょっとおかしいのがスルーされたり、当然とされたりすると、やっぱり映画だからなという区切りを感じて冷静にさせられる。そんなシーンがいくつかあって、おかげで退屈を感じてしまったんだと思う。

ラストへ向かって種明かしが繰り広げられるシーンは、よくあるミステリー解明のそれのようで、真新しさもないけど、もちろん退屈なわけでもなく、真相を教えてくれた。

ただ割と、伏線と思わせていた(勝手にそう思ってた?)ことへの回収のようなものがなく、すこしもどかしいところも残る。ミステリーくさい雰囲気は好きなのだけど、あと一押しと言わざるを得ないかなって。

ちなみに、翻訳家をほぼ監禁にして仕事させた例が、あのダン・ブラウンの4作目『インフェルノ』なんだって。そんな実話がベースなんだって。あたしからすると、映画のなかで翻訳家たちは予告もなく隔離されて納得いかないまま仕事をしていたけど、最初に提示してから依頼するに決まってるだろうし、そんなの映画とか本だけの話だよって映画みながら思っちゃったし。翻訳家は翻訳家でたった数ヶ月、すきな仕事をするために至れり尽くせりの環境にいられるって、なにをそんな文句を…とも思うしな〜。感染症の脅威があってもノーマスクで街に出るお国柄、たった数日でも黙っていられないんだろうな。

制作費は日本円で12億くらいみたい。地下室の雰囲気とか、寒々しいだけで重厚感がなかったのは予算も関係あるのかな〜。ハリウッドで作ったらどんな映画になるか、ちょっと興味はあるのだけど!

Amazon Prime Videoをチェック タイミングや時期によって無料で視聴できない場合やラインナップにない場合があります。