2024.7.29

オデッセイ
アンディ・ウィアーの2011年の小説『火星の人』(The Martian)が原作。
第88回アカデミー賞、作品賞、主演男優賞、脚色賞、美術賞、視覚効果賞、音響賞にノミネート。ほか多数の映画賞で受賞やノミネートを果たす。
カテゴリー:SF
オデッセイの映画情報
原題 | The Martian | ||
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制作年 | 2015年 | 制作国 | アメリカ |
上映時間 | 142分 | ジャンル | SFドラマ |
映倫 | G | ||
オフィシャルWeb | https://www.20thcenturystudios.jp/movies/odyssey |
監督 | リドリー・スコット |
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キャスト | マット・デイモン |

以下「オデッセイ」の感想・評価・レビューの内容は、ネタバレを含む場合があります。
「オデッセイ」をまだご覧になられていない方は、十分にご注意ください。
オデッセイのあらすじ・ストーリー
人類による有人火星探査ミッション<アレス3>が、荒れ狂う嵐によって中止に追い込まれた。ミッションに参加した6人のクルーは撤収を余儀なくされるが、 そのひとりであるマーク・ワトニーは暴風に吹き飛ばされ、死亡したと判断される。しかしワトニーは奇跡的に生きていた。独りぼっちで火星に取り残され、地 球との交信手段もなく、次にNASAが有人機を送り込んでくるのは4年後。サバイバルに不可欠な食糧も酸素も水も絶対的に足りない。そのあまりにも過酷な 現実を直視しながらも、ワトニーは決して生き延びることを諦めなかった。やがてワトニーの生存を知って衝撃を受けたNASAや同僚のクルーは、地球上のす べての人々が固唾をのんで見守るなか、わずかな可能性を信じて前代未聞の救出プランを実行するのだった…。
オデッセイをみた記録
不慮の事故で火星にひとり、とり残されたマーク・ワトニー。救助がきたとしても4年後、食糧も水も確実に足りない。ワトニーは死を覚悟したが、翌々日には生きていくための行動をはじめた。
地上に暮らし、危機的状況を未経験な人間である大多数はこの物語を奇跡だというだろうが、きっと奇跡ではなく訓練された宇宙飛行士としての技術と学者としての膨大な知識と想像力、ワトニーという人間の好奇心や行動力、判断力、気力と根性がもたらした結果。吹き飛ばされて大事に至らなかったこと、ケガが致命傷でなかったこと、地上がアレス3基地の変化に気づいたこと、火星に残されていたかつてのパスファインダー(火星探査機)を見つけたこと、それが使えたこと、地上がそれに気づいたこと、ハプニングが起こるなか船長がワトニーを確保できたことなどなど、奇跡が重なったことは確か。頭のいい宇宙飛行士ならとうぜん!というわけではもちろんなくて、ワトニーが諦めなかったことがこの物語のほとんどを占めた。地上もそれに習って諦めることはなく、頭のいいひとたちが最善を尽くしたことがよくわかる。
火星にいるワトニーだけでなく、NASAで頭フル回転させている職員たちもおもしろい。どんな仕事をしているか謎が多いし、特に結束力が強くないと命にかかわる重大なミッションを扱うチームの様子も余すことなくおもしろい。
火星における限られた資源を使った科学的な超絶ハードモードなサバイバルや想像もつかない宇宙空間の過酷さが緊張感をもって終始たのしめる。あまりに現実的ではないが、特に子どもへの教材にもなるはず。なにより窮地でも諦めるな、行動しろという教訓はすべての子に伝えたいメッセージだ。限られたもので意外なものがつくり出せる、というサバイバルもきっとたのしいはず。いやいや、さすがに宇宙空間、無理があるか。
すこしだけ気になるところといえば、補給船打ち上げに失敗、NASAは絶望、ワトニーも絶望。しかしそこへ、中国のなんかすごい技術をもった(太陽神!)組織が協力すると申し出る。
特に布石があったわけでもなかったようにおもうけど、こうやって落着するようなストーリーはあまり納得がいかないのだけど、こうするしかないと想像もできる。だって宇宙だからね、起こりえることはだれか別の人間が助け船を出すくらいしかないはず。
あたしのだいすきな「コンタクト」(1997)も似たところがあった。
宇宙事業のことはぜんぜん知らないけど、実際こういうフォローやサポートが各国でされていることが一般的なのかな。いや〜、人間の命がかかっているわけだし、ぜったいに国が助けにいくとおもうけどね。いくらもう亡くなっているだろうとおもわれていてもね。