2024.1.20
約束のネバーランド
マンガが原作のダークファンタジー。
約束のネバーランドの映画情報
原題 | |||
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制作年 | 2020年 | 制作国 | 日本 |
上映時間 | 119分 | ジャンル | ファンタジーサスペンス |
映倫 | G | ||
オフィシャルWeb | https://www.fujitv.co.jp/b_hp/neverland-movie/ |
監督 | 平川雄一朗 |
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キャスト | 浜辺美波 |
以下「約束のネバーランド」の感想・評価・レビューの内容は、ネタバレを含む場合があります。
「約束のネバーランド」をまだご覧になられていない方は、十分にご注意ください。
約束のネバーランドのあらすじ・ストーリー
幸せに満ち溢れた楽園のような孤児院「グレイス=フィールドハウス」。そこで暮らす孤児たちは、母親代わりでみんなから“ママ”と呼ばれているイザベラ(北川景子)のもと、里親に引き取られる年齢になる日を待ちわびていた。エマ(浜辺美波)、レイ(城桧吏)、ノーマン(板垣李光人)の3人も、いつか外の世界で暮らすことで、より幸せな日々がやってくると信じていた。“その日”がくるまでは…。里親が見つかり、孤児院を笑顔で後にするコニーを見送ったエマとノーマンは、彼女が肌身離さず抱きしめていた人形が食堂に落ちているのを偶然見つける。忘れ物の人形を届けるため、決して近づいてはいけないと、ママから教わっていた「門」に向かった2人がそこで目にしたのは、無残にも命を奪われ、食料として出荷されるコニーの姿だった。そう…みんなが「楽園だと信じていた孤児院」は、実は「鬼に献上する食用児を育てる農園」で、さらには母親のように慕っていたママは「最上級の食用児を育てる飼育監」だったのだ。全てが偽りだったと気がついた3人は、孤児たち全員を引き連れた、無謀ともいえる脱獄計画をスタートさせる…。
約束のネバーランドをみた記録
原作のマンガはずいぶん前に読んだ。大まかには覚えているが細かなところは忘れてしまっている。
人間を食う鬼がいる世界。鬼と人間が共存するために、人知れず食用の人間が鬼にあてがわれていた。食用の人間は農園で育てられていたが、農園で生活する子どもたちはその事実を知らず、里親に引き取られることを夢見ていたが、子どもたちはじぶんたちが食用のために育てられていることを知り脱獄を計画する。
知能が高い人間ほど値打ちが高く鬼も待ち遠しいらしいが、知能が高いゆえに脱獄の計画も綿密に考えている。16歳を前にした子どもたちが、子どもたちに取り付けられた居場所を知られてしまう発信機を解除する装置を作ったり、手製で縄を作ったり、数ヶ月〜数年にもおよぶ期間のあいだ芝居をし続け計画を練り続ける。まぁマンガらしい、まさにファンタジーの世界の話ではあるが、あれよあれよのうちに事が進み、相応の犠牲をはらいながらも目的に向けてあきらめずに気持ちを保ち続けた。
子どもばかりだし、無理がありそうな設定もあるが、もっと深い闇が隠れていて、実はとてもハラハラさせられるおもしろい話であるのに、なぜこんなに謎めいた印象が残らないか。数人出てくるおとなたちは役者として(たぶん)申し分ないだろうし、原作もおもしろいのに、なぜか深みがなく、子どもがみる映画という印象が強い。マンガのようにもっとダークな演出が必要だったのではないか、と個人的には。『かわいいタッチのマンガなのに、蓋を開けたらけっこう怖い話だった』がマンガの成功の要因のひとつでもありそうなのに、この映画には恐怖感が足りないような気がする。たしかに鬼はきもちわるかったが、鬼という物体を除けばぜんぶあたしたちが普段みているものと変わらないし、映画の世界観が現実離れしていなかった。
生ける者のために死んでいく者、という対峙や人間としての権利や尊厳を描いているのに、もっと重くダークな演出をしてコクを出すべきなんじゃないか。
さらに欲をいえば、芝居がどうしても未熟な子がいることか。浜辺美波ちゃんはどんな大人よりもバツグンな芝居に見えたが、外国人に扮するためのヘアスタイルや違和感ある名前(原作がそうなんだからしかたない)、さらには大人っぽい顔なので15歳という役にすこし違和感があった気がする。それでもこの映画のなかではナンバーワンに輝いていたのだから、ほかの役者たちの未熟ぶりは足を引っ張ったといってもよさそう。
外国人になりきるのはやっぱり無理があるわよね、そもそも日本語を話しているのだし。この映画がむつかしいのって、まずそこよね。マンガのときから違和感あったもの。