2021.10.16
ボーダーライン
原題:Sicario
原題の『Sicario』は、スペイン語で暗殺者という意味だそう。「ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ」(2018)のスピンオフ(続編というよりはスピンオフみたい)が公開されているよ。当初はスピンオフもジョシュ・ブローリン、ベニチオ・デル・トロ、エミリー・ブラントが揃う予定だったようだけど、後にエミリー・ブラントだけは出演しないことが決定したみたい。
ボーダーラインの映画情報
原題 | Sicario | ||
---|---|---|---|
制作年 | 2015年 | 制作国 | アメリカ |
上映時間 | 121分 | ジャンル | アクションサスペンス |
映倫 | R15+ | ||
オフィシャルWeb | https://border-line.jp/ |
監督 | ドゥニ・ヴィルヌーヴ |
---|---|
キャスト | エミリー・ブラント |
以下「ボーダーライン」の感想・評価・レビューの内容は、ネタバレを含む場合があります。
「ボーダーライン」をまだご覧になられていない方は、十分にご注意ください。
ボーダーラインのあらすじ・ストーリー
アメリカ国内の商業施設で市民15人の命が奪われる自爆テロ事件が発生。 犯人一味がメキシコ経由で不法入国したと睨んだ政府は、 国境地帯で密入国ビジネスを仕切る麻薬カルテルを混乱に陥れる任務を、 CIA工作員のマット・グレイヴァー(ジョシュ・ブローリン)に命じる。
それを受けてマットは、 カルテルへの復讐に燃える旧知の暗殺者アレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)に協力を要請。 麻薬王の娘イサベル(イザベラ・モナー)を誘拐し、 カルテル同士の戦争を誘発しようと企てる。 しかしその極秘作戦は、 敵の奇襲やアメリカ政府の無慈悲な方針変更によって想定外の事態を招いてしまう。 メキシコの地で孤立を余儀なくされたアレハンドロは、 兵士としての任務と復讐心、そして人質として保護する少女の命の狭間で、 過酷なジレンマに直面していく……。
ボーダーラインをみた記録
見どころとしては、知る限りは平和な日本で暮らすあたしにとって信じられない残忍な光景が続く緊迫感と、ミステリアスと恐怖が入り混じるベニチオ・デル・トロ。
優等生のようなFBI捜査官ケイト(エミリー・ブラント)がマット(ジョシュ・ブローリン)が指揮する麻薬カルテルのボスを捕まえる作戦に志願するけど、わけわからぬままメキシコに行ってアレハンドロ(ベニチオ・デル・トロ)に出会って本格的に捜査がはじまる。
冒頭からの最初の突入から、ケイトも知らなかったメキシコの街の異常な光景、まじで地獄。人でなしの化け物がおぞましい殺戮を繰り返していた光景はまともに見ていられないほどこわい。
見るんじゃなかったかも、と思いはじめたあたりから緊迫感がクセになるというか、どんどん引き込まれる展開に。こっちまで息苦しくなるようなシーンの連続でかなり疲れるよ。
みているこちらも、正直なにがなんだかわからなくて、というかメキシコを出ることもできずに毎日ビクビクしながら生きている人のように、ただならぬ空気のなかひっそり様子をうかがう感じだったのだけど、なんとなく話が掴めてくると、今度は緊張感からアクションに変わっていく。と同時に、えアレハンドロってなんかやばくない?に変わっていく。さらに同時に、ケイトの優等生ぶりが、ちょっとめんどうくさくなってくる。
そして、真実や目的がはっきり理解できたころには、ベニチオ・デル・トロに主役が変わっている。
これって悪いことだとおもう?綺麗事ばかりでは悪は無くならない、正義と綺麗事が混在することがいかにむつかしいかを問うている。銃声が聞こえるなかボールを追う少年たちが、今後も絶えそうにない復讐心を表しているのか、常に平和なわけではないというメッセージか。
前半後半で主役が入れ替わるような展開と緊張感と、とても見ごたえのある映画だったのだけど、いまメキシコは治安がとてもよくなったらしく、こんな映画のような事件なんて起きてないよってフアレス市長が抗議していたらしい。
あの街はもう安全になったのかもしれないけど、メキシコのどこか、またもっと別の場所で、わざわざ悪い方法でお金を稼いでわざわざ人の命を奪う奴らがいるのだから大いに意味がある映画だと思うけどね。
R15指定だけど、ショッキングなシーンが多いから苦手なひとはご注意を。