2023.11.8
ドミノ
ロバート・ロドリゲスが原案から脚本、監督、プロデューサー、撮影監督、編集までを務め、20年前からの構想を映画化したとのこと。
ドミノの映画情報
原題 | Hypnotic | ||
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制作年 | 2023年 | 制作国 | アメリカ |
上映時間 | 94分 | ジャンル | サスペンス |
映倫 | G | ||
オフィシャルWeb | https://gaga.ne.jp/domino_movie/ |
監督 | ロバート・ロドリゲス |
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キャスト | ベン・アフレック |
以下「ドミノ」の感想・評価・レビューの内容は、ネタバレを含む場合があります。
「ドミノ」をまだご覧になられていない方は、十分にご注意ください。
ドミノのあらすじ・ストーリー
オースティン警察の刑事ダニー・ローク(ベン・アフレック)は、最愛のひとり娘ミニーを失った悲しみから立ち直れずにいる。容疑者が逮捕されたにもかかわらず、彼は誘拐したことも、どこに連れて行ったのかもまるで思い出せないというのだ。そんなある日、ロークと相棒ニックス(JD・パルド)は、特定の貸金庫を狙った強盗が計画されているという匿名の通報を受け、銀行に向かった。
隠れて監視するロークが目を付けたのは、銀行の外にいたひとりの怪しげな男(ウィリアム・フィクナー)。その男が隣の見知らぬ女性に話しかけると、女性は突然奇怪な行動を取り始める。そんな様子を見たロークは急いで貸金庫に駆けつけ、男より先に到着。目的の金庫を開けると、中に入っていたのはなんとミニーの写真だった。写真には、「レヴ・デルレインを見つけろ」と書かれている。ロークはふたりの警官を伴って屋上まで男を追い詰めるも、警官は突然暗示をかけられたようになってお互いを撃ち殺し、男は屋上から飛び降りた。すぐに見下ろしたが、地面に男の姿はない。いったい、何が起こったのか。
この出来事がミニーの失踪に関係していると信じるロークは、匿名の通報者の居場所をたどりあてる。そこにはダイアナ・クルス(アリシー・ブラガ)という名の占い師がいた。人の心を操る能力を持つ彼女は、男の正体を教えてくれる。彼とクルスはかつて同じ秘密組織に所属していたというのだ。そこにミニーはどうつながるのか。次々に危険が降りかかる中で、ロークはその答を探そうとする。
ドミノをみた記録
ロバート・ロドリゲス監督とベン・アフレックのタッグ。おもしろくないわけがないと思ったのだけど、めずらしく尻すぼみになった印象!
ポイントは、どんな映画かをまったく知らずにみにいったことだろう。もしどなたか、この映画をまだみていなくてこのページにたどりついたとしたなら、ぜったいにこれ以上読み進めることなく映画を再生したほうがいい!読み進めてもネタバレはしていませんが、解釈やリアクションに少なからず影響が出てしまうはず。
なんせ、前半はわけのわからない事象で頭が混乱させられて、「シャッター アイランド」(2010)のような「インセプション」(2010)のような「ドクター・ストレンジ」(2016)のようなことすら脳内をめぐらせてスリルを感じ、どんなミステリーが待ち受けているのかと期待が高まった。オフィシャルサイトで「どんでん返し」とあるが、この文字を事前に見ていたら前半のこの楽しさはなかったはず。
しかしあるところを境に方向が一転。そこからどんどん期待とは裏腹に魔法みたいな裏技モードに突入した。そういう映画と言われればそれまでだが、ロバート・ロドリゲス監督やベン・アフレックに限ってこの類いの話になるのかとなかなか考えた。ある意味ドクターストレンジみたいなものならマーベルに入ったらいいのに、なんてことも考えた。
ミステリーサスペンスというカテゴリであるにもかかわらず、魔法みたいな裏技モードになると気が抜けてしまうひとも多いと思うのだけど、まさにそれでエンディングを迎えた。それはもう、前半がとてもおもしろかったので落差が大きいわけですよ。
よかったことは邦題。原題は「Hypnotic」だけど邦題は「ドミノ」。めずらしくこの邦題は原題よりもいいんじゃないかとおもった。
映画の告知でどんでん返しというコピーをつかうのって、ただ商業的に映画をみせたいためだけであって、映画をおもしろくたのしくみてほしい、という考えは一切ないよね。どんでん返しがあると知って映画をみるのってちょっとおかしいよね。なにも知らずにどんでん返しされることがよいのであって。映画がすきな人間がコピーやマーケティングをしているのだろうけど、売らなきゃいけないのはしょうがないが、どんでん返しの告知はタブーとするのが映画界の未来のためにいいんじゃないのかな。
監督やキャストが豪華な面々を揃えているが主要な人物は少ないし、舞台やストーリーのスケールも小さめで、ロバート・ロドリゲス監督のオシャレで独特な世界観が大いに味わえるかといえばぜんぜんそんな印象もなくて。たくさんの制作費がかかっているように思えないし、日本でのプロモーションもあたしは一切知らなかったので、日本においては振るっていないんだろう。オフィシャルサイトでも、役者名前のカタカナ表記が統一されていないあたりも、なとな〜く力が入っていない感があるのも残念。