2020.5.31
ヴェノム
マーベル・コミックのキャラクター 《ヴェノム》の映画で、ソニー・ピクチャーズ・ユニバース・オブ・マーベル・キャラクター初作品。マーベル・シネマティック・ユニバースに関わらないけど、スパイダーマンとは交わることになっているのだとか。
監督は「ゾンビランド」(2009)、「L.A. ギャング ストーリー」(2013)のルーベン・フライシャー。
ヴェノムの映画情報
原題 | Venom | ||
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制作年 | 2018年 | 制作国 | アメリカ |
上映時間 | 112分 | ジャンル | SFアクション |
映倫 | PG12 | ||
オフィシャルWeb | https://bd-dvd.sonypictures.jp/venom/ |
監督 | ルーベン・フライシャー |
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キャスト | トム・ハーディ |
以下「ヴェノム」の感想・評価・レビューの内容は、ネタバレを含む場合があります。
「ヴェノム」をまだご覧になられていない方は、十分にご注意ください。
ヴェノムのあらすじ・ストーリー
敏腕記者エディ・ブロック(トム・ハーディ)は、人体実験で死者をだしているという<ライフ財団>の真相を追う中、ある“最悪な”ものを発見し、接触してしまう。それは<シンビオート>と呼ばれる地球外生命体だった。
この意思を持った生命体との接触により、エディの体は寄生され、その声が聞こえるようになる。「一つになれば、俺たちはなんだってできる」とシンビオートはエディの体を蝕み、一体化し、ヴェノムとして名乗りを上げる。ヴェノムはそのグロテスクな体で容赦なく人を襲い、そして喰らう。相手を恐怖に陥れ、目玉、肺、そしてすい臓…体のどの部位も喰い尽くす。
エディは自分自身をコントロールできなくなる危機感を覚える一方、少しずつその力に魅了されていく――。
引用元https://bd-dvd.sonypictures.jp/venom/
ヴェノムをみた記録
ふつうにおもしろかったけど、意外なコンパクト感ですこし残念な気持ちでもある。マーベル・シネマティック・ユニバースの映画と兄弟みたいな映画であるにもかかわらず、ずいぶんあっさりと事が進んでいった印象。
- 体当たり取材がウリのリポーターのエディ、ライフ財団トップ創始者ドレイクに取材
- 弁護士の恋人アニーから勝手に得た情報でドレイクに突っかかる
- タブーな問題に突っ込んだためクビ
- 恋人もクビになり激怒で破局
- 宇宙で見つけた生命体(シンビオート)サンプルを人体実験しているライフ財団の研究者がエディに内通
- 研究所へ行ったエディにシンビオートのヴェノムが入り込み適応
- ヴェノムの力で超強くなるエディ(というかヴェノムが勝手に戦ってる)
- 1つサンプルがなくなって怒るドレイク、エディにシンビオート入っちゃったとわかって取り戻したい
- 取り戻すために刺客に襲われるエディ、元恋人のおかげでヴェノムと分離
- 一方もう1つのシンビオートがドレイクに入って適応。ライオットがドレイクの体を支配
- ライオットは、シンビオートを地球に呼び寄せて人間を喰らってしまおう作戦を実行するためロケットで宇宙に飛び出ようとする
- 地球人食らったり、地球滅ぶのやだし、エディすきになっちゃったからライオットを止めるヴェノム
- ヴェノムがんばってライオットやっつける
ザッとこんな流れ、なのではなくほんとにこんなかんじ。軽快に進むしなんらむつかしいこともないんだけど、その分サッパリしているし、なにより説得力に欠ける。
いつのまにかヴェノムはエディを気に入り、いつのまにかヴェノムとエディの間に絆ができて、いつのまにか地球を守りたくなっちゃったヴェノム。さらに、超重要であったはずのドレイクもあっさりライオットに入りこまれて、ドレイクの存在は無!
ほかにも細かく言えばヴェノムがアニーに入り込んでから、何人か入る先を変えてドレイクにたどり着いたこの一連の必要性も不明。アニーがヴェノムに怯まず突っかかる勇敢さ無謀さを裏付ける描写も見当たらない。シンビオートが入り込んだあと少し時間を置く必要があると判明したが、それまでの実験で死んでしまった人間となにが変わらないのか不明。シンビオートをどうやってケースに入れたり戻したりできるのか。
などもろもろ、見落としなのか抜けなのか考えたけど、もちろん抜けなわけがない。見落とし寄りにはなるけど、脚本が説得力をもって作られていないことが問題なのだとおもう。
特にヴェノムとエディがお互い落ちこぼれで意気投合したということにしたところは、この映画において相当重要なポイントだとおもうけど、ヴェノムのセリフだけで始末される。“最も残虐なダークヒーロー”は適切ではなく、むしろ少しおちゃめな、見た目とは裏腹ないいヤツで、極悪は
挙げていけばいくほど、やっぱり解せないことが多いし詰めがあまいと思わざるをえない。あたしを納得させてくれよ、ということではなく、制作はもっと深みや重みやコクを出そうと思わなかったのかという疑問が深まるばかりなのだ。マーベル・シネマティック・ユニバースではないにしても、それに並ぶくらいの映画として、どうしても及第点としか思えない。いや、もしかしたら及第点すら届いていないかもしれない。
もっと言えば、役者陣のレベルも著しく低く、みている側にお金をかけていない感を知られてしまってはまずいんじゃ?とおもうほど。おまけにミシェル・ウィリアムズは、とんだ大根役者でガッカリしたし、辛口に言わせてもらうとおばちゃん顔にミニスカートで、彼女の魅力を活かせないスタッフとの仕事は不憫だなとさえ思った。