2025.4.7

マージン・コール
リーマン・ブラザーズをモデルに、2007年のリーマンショック直前の投資銀行行内を描く。
第84回アカデミー賞脚本賞にノミネート。
日本では劇場未公開。
マージン・コールの映画情報
原題 | Margin Call | ||
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制作年 | 2011年 | 制作国 | アメリカ |
上映時間 | 106分 | ジャンル | ドラマ |
映倫 | G |
監督 | J・C・チャンダー |
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キャスト | ケヴィン・スペイシー |

以下「マージン・コール」の感想・評価・レビューの内容は、ネタバレを含む場合があります。
「マージン・コール」をまだご覧になられていない方は、十分にご注意ください。
マージン・コールをみた記録
証券会社で働くピーターが、とつぜんリストラされた上司エリックから渡されたUSBメモリを解析したところ、会社が危機的状況にあるとわかった。ピーターは同僚と上司のウィルに伝え、さらに上司のサムにも話が伝わった。高いレバレッジで保有している不動産担保証券(サブプライム商品)のせいで、会社の時価総額を超える損失が予測された過去にない危機。すぐに取締役会が開かれ、損失を限りなく少なくするにはどうしたらいいか話し合われた。取締役会は価値のない不動産担保証券を売却しろ、と決定した。決定のとおり、トレーダーたちは安値でさも利のあるようにみせて売り捌いた。
最初はなんのこっちゃ、その会社の危機がどんなものかさっぱりで、むしろサスペンス映画なのかと混乱していたが、不動産担保証券ということばが出てきてやっと理解できた。リーマンショックとなったリーマン・ブラザーズのあの日の話だったわけだ。
どこまでリアリティーがあるのかはわからないけど、きっと大方こんなかんじだったんだろう、と想像するしかないが、賢くて金に冷徹な人間味のないひとたちが到達するようなステージなのは本当なのかもしれない、とおもわせてくれる登場人物ばかりだった。唯一、自己のためだけではない感情が揺れ動いたサムもまた、やっぱり金がすべてだと情をのみこんだ。
ちょっとセンスのいい終わり方にした風にもとれるけど、説明不足が少々不親切かも。エリートたちがあのときどう立ち回ったのか、が描かれているわけだが、淡々と進んでいくので興味のないひとには退屈しかないだろう。「マネー・ショート 華麗なる大逆転」(2015)のようなエンタメフィクションとは打って変わって、エンタメ要素のない大まじめなフィクション(たぶんフィクション)。
このように薄味だが、俳優の豪華さがこの映画に最高のコクを出している。このキャスティングだけでもみる価値があるのはまちがいない!