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2023.8.13

ハクソー・リッジ

ハクソー・リッジ

実際に第二次世界大戦の沖縄戦で衛生兵として戦地に赴いたデズモンド・T・ドスの実体験を描いた伝記。デズモンドは、ハクソー・リッジ(前田高地の断崖上)で75人もの負傷兵の命を救い、良心的兵役拒否(当人の良心に基づく信念として戦争参加や義務兵役を拒否する者)として、はじめて名誉勲章が与えられた。

ハクソー・リッジの映画情報

原題 メル・ギブソン
制作年 2016年 制作国 アメリカ、オーストラリア
上映時間 139分 ジャンル 伝記
映倫 PG12
オフィシャルWeb http://hacksawridge.jp/
監督 メル・ギブソン
キャスト

アンドリュー・ガーフィールド
サム・ワーシントン
ルーク・ブレイシー
テリーサ・パーマー
ヒューゴ・ウィーヴィング
レイチェル・グリフィス
ヴィンス・ヴォーン
ライアン・コア
リチャード・ロクスバーグ

ハクソー・リッジのネタバレを含む場合があります

以下「ハクソー・リッジ」の感想・評価・レビューの内容は、ネタバレを含む場合があります。
ハクソー・リッジ」をまだご覧になられていない方は、十分にご注意ください。

ハクソー・リッジのあらすじ・ストーリー

ヴァージニア州の豊かな緑に囲まれた町で生まれ育ったデズモンド・ドスは、元気に野山を駆け回る少年だったが、家族に問題を抱えていた。父親のトム(ヒューゴ・ウィーヴィング)は、兵士として戦った第1次世界大戦で心に傷を負い、酒におぼれ、母バーサ(レイチェル・グリフィス)とのケンカがたえない日々を送っていた。  月日は流れ、成長したデズモンド(アンドリュー・ガーフィールド)は、看護師のドロシー・シュッテ(テリーサ・パーマー)と恋におち、心躍る時を過ごしていた。だが、第2次世界大戦が日に日に激化し、デズモンドの弟も周りの友人たちも次々と出征する。そんな中、子供時代の苦い経験から、「汝、殺すことなかれ」という教えを大切にしてきたデズモンドは、「衛生兵であれば自分も国に尽くすことができる」と陸軍に志願する。  グローヴァー大尉(サム・ワーシントン)の部隊に配属され、ジャクソン基地で上官のハウエル軍曹(ヴィンス・ヴォーン)から厳しい訓練を受けるデズモンド。体力には自信があり、戦場に見立てた泥道を這いずり回り、全速力で障害物によじ登るのは何の苦もなかった。だが、狙撃の訓練が始まった時、デズモンドは静かにしかし断固として銃に触れることを拒絶する。  軍服や軍務には何の問題もなく「人を殺せないだけです」と主張するデズモンドは、「戦争は人を殺すことだ」と呆れるグローヴァー大尉から、命令に従えないのなら、除隊しろと宣告される。その日から、上官と兵士たちの嫌がらせが始まるが、デズモンドの決意は微塵も揺るがなかった。


しかし、出征前に約束したドロシーとの結婚式の日、デズモンドはライフルの訓練を終えないと休暇は許可できないと言われ、命令拒否として軍法会議にかけられることになる。面会に訪れたドロシーに、銃に触れないのはプライドが邪魔しているからだと指摘されたデズモンドは、その“プライド”こそが大切だと気付く。「信念を曲げたら生きていけない」というデズモンドの深い想いに心を打たれたドロシーは、「何があろうと、あなたを愛し続けるわ」と励ますのだった。「皆は殺すが、僕は助けたい」─軍法会議で堂々と宣言するデズモンド。ところが、意外な人物の尽力で、デズモンドの主張は認められる。  1945年5月、沖縄。グローヴァー大尉に率いられて、「ハクソー・リッジ」に到着した第77師団のデズモンドとスミティ(ルーク・ブレイシー)ら兵士たち。先発部隊が6回登って6回撃退された末に壊滅した激戦地だ。150mの絶壁を登ると、そこには百戦錬磨の軍曹さえ見たことのない異界が広がっていた。前進した瞬間、四方八方からの攻撃で、秒速で倒れていく兵士たち。他の衛生兵なら見捨てるほどの重傷の兵士たちの元へ駆け寄り、「俺が家に帰してやる」と声をかけ、応急処置を施し、肩に担いで降り注ぐ銃弾の中を走り抜けるデズモンド。ひるむことなく何度でも、戦場に散らばった命を拾い続けるデズモンドに、感嘆の目を向け始める兵士たち。しかし、武器を持たないデズモンドに、さらなる過酷な戦いが待ち受けていた─。

引用元http://hacksawridge.jp/

ハクソー・リッジの予告動画または関連動画

ハクソー・リッジをみた記録

第二次世界大戦のさなか、田舎町からひとりの青年が陸軍兵に志願した。恋人ドロシーと結婚を控えていたが、弟や町の若者が戦場へ赴くなか、デズモンドも戦場でたたかう決意をした。配属された陸軍の訓練中、デズモンドは銃を触ることができなかった。軍法違反として軍法議会にかけられるが、退役軍人である父の助けもあって武器を持たないことを認められた。

デズモンドは衛生兵として、激戦が続くハクソー・リッジへと向かった。たたかいがはじまり、数分で命を落とす者もいるなか、デズモンドは衛生兵として兵士の命を救う──。


ハクソー・リッジという青年のなまえかと思っていたがまったく違って、舞台となった戦地の通称。沖縄県浦添市の前田高地というところだそう。浦添大公園内には戦跡が残っているそうで、激戦地として有名な場所。

映画の主人公は衛生兵のデズモンド。武器を持たない兵士で、まわりから頭がおかしい変わり者と思われ、上官たちも命令に従わないデズモンドが退いていくように仕向けていた。しかしデズモンドは信念を貫き、まわりの考えを変えていった。たしかに信念を貫きとおし、さらには70人以上もの兵の命を救い、まさに神のなせる業というか、兵たちは神に代わったデズモンドに救われたと表現してもいいような偉業を成し遂げた。

こんな見方は少し怒られてしまうかもしれないが、まったく清々するほど己をしっかり主張する国だなぁアメリカ合衆国は。1945年当時、神に誓って武器持ちません、という言い分がとおることは日本ではぜったいにありえないことだろう。数人の理解者がいたとしても権力で数秒でねじ伏せられそうな案件だ。

そのせいで、いまでも国柄というか慣習というか、自己を主張せず、謙虚にしたがうというプライドの低いポリシーが日本人に根付いているのだろう。(第二次大戦があったからというわけではなくて、日本人という生き物がそういう環境でそう育まれた、と言いたい。)日本人の話はいいとして、アメリカという国は80年近くも前から多様性を受け入れてきた国なわけだ。たしかに立派なデズモンドの勇敢な姿は心に響いたし、アンドリュー・ガーフィールドファンとしては涙なしではみれなかったが、しっかり自分の想いや信念を主張する人間が何人もいたら収集がつかないだろう、と心配だ。というか、落とし所を毎度まいど向き合ってきた相手方はひたすら苦労が多かっただろう。戦争に限ったことではなく、じぶんの意思を曲げないひとが多い分、それに対応していくマニュアルや手順も多様にあるわけで、みんなの主張を聞く係がきちんと配備されていそうな国がアメリカだとあたしは思っている。結果オーライでデズモンドは偉業を成し遂げたが、日々主張を受け入れる側の目線が表に出ないのはフェアじゃないなぁ、と感じる。

とはいえ、ここ数年のウクライナ侵攻や中国台湾の問題もあって、戦争がほんの少しだけ身近になっているなかで、やっぱり戦争への嫌悪は揺るがない。いざ戦争になったら…なんて話にあがることすらおかしいとおもうし、映画のように腹わたが散ったり、足を引きちぎられたり、目が見えなくなることが誰かに起こっていいことだろうか、とバカバカしいが考えなくてはならない。二度とくり返さないようにしなければならないのだから、戦争映画こそテレビで何度も流すべきだ。人間の命は、その顔や体や耳や目はぐちゃぐちゃに破壊されるためにあるのではなくて、殺し合うためにあるのではなくて、しあわせを分け合うために存在しているのではないか、と考えさせるべきではないのか。

話がそれてしまったが、戦時中ですら多様性を受け入れるアメリカ軍の映画は引き込まれたが、海外諸国は主張が強くていちいち鬱陶しく、争いが絶えそうにないな、というのが感想です。もちろんその主張していく姿にあこがれもあるのだけど、謙虚であることだってすばらしいことだおもおもう。とうぜん日本も片足を突っ込んでいるわけで、主張をしていかないと負けていく時代へと突入した。貧富の差が広がり、支配する側とされる側の差がはっきりしていくだろう。ほぼ内戦みたいなものよね、もうすでに。

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