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ウインド・リバー
原題:WIND RIVER

ウインド・リバー

全米4館ではじまった公開。口コミで広まって公開4週目には2095館へと拡大、興行収入3位までのぼりつめ、6週連続トップテン入りのロングラン・ヒットを記録したんだって。

第70回カンヌ国際映画祭では、ある視点部門で監督賞を受賞したみたい。監督は「ボーダーライン」(2015)のテイラー・シェリダン監督。

ウインド・リバーの映画情報

監督
テイラー・シェリダン
キャスト
ジェレミー・レナー
エリザベス・オルセン
ジョン・バーンサル
グレアム・グリーン
ケルシー・アスビル
ギル・バーミンガム
ジュリア・ジョーンズ
マーティン・センスマイヤー
テオ・ブリオネス
エイペザナクウェイト
タントゥー・カーディナル
ジェームズ・ジョーダン
ヒュー・ディロン
マシュー・デル・ネグロ
イアン・ボーエン
エリック・ラング
ウインド・リバーのネタバレを含む場合があります

以下、「ウインド・リバー」の感想・評価・レビューの内容は、ネタバレを含む場合があります。
ウインド・リバー」をまだご覧になられていない方は、十分にご注意ください。

ウインド・リバーのあらすじ・ストーリー

アメリカ中西部ワイオミング州のネイティブアメリカンの保留地ウインド・リバー。
ある日、野生生物局のハンターのコリー・ランバート(ジェレミー・レナー)は一面雪景色の山岳地帯で少女ナタリーの死体が発見した。
遅れてやってきたFBI捜査官ジェーン・バナー(エリザベス・オルセン)とともに、不可解な謎が多いナタリーの死の操作をはじめる...。

ウインド・リバーの感想・評価・レビュー

アメリカのワイオミング州のネイティブアメリカン保留地ウインド・リバー。20分で天気が一転するような昼間もマイナス20度という環境の銀世界が舞台。

野生生物局のハンターであるコリー・ランバートは山間で女性の遺体を見つけた。血を吐き、重度の凍傷にもなっている若い女性の遺体。遺体は、今はもういないコリーの娘エミリーの親友ナタリーだった。

大変な雪道で遅れて駆けつけてきたFBIのジェーン・バナーは、土地勘があり、雪山に詳しいコリーに操作の協力を求めた。できることはする的な感じで、なにか意味深に今回の事件を捉えているコリー。

司法解剖の結果、ナタリーは複数人にレイプされどこかから逃げている途中、マイナス30度のなか呼吸したことで肺胞が破裂し肺のなかは血液で埋まり、やがて窒息して亡くなったということがわかった。

遺体で発見されたナタリーの父マーティンはこの地の先住民族で、コリーとは信頼し合った仲みたい。ジェーンや地元の保安官ベンがマーティンを訪ねたとき、冷静さを装っていたけど、コリーが現れると感情を爆発させて泣いていた。ナタリーの母はというと、悲しみから気が崩壊し、自分を傷つけてしまうほど壊れ果てていた。

ジェーンとコリーの操作がはじまった。コリーは地元の人間ならではの人脈をたどって、自分なりの推理をはじめていたけど、ジェーンは知らない土地でだれひとり知る人物がいない状況。たまにぶつかり合いながら手がかりをたどっていった。

そんななか、また雪のなかで遺体が見つかる。疑わしい人物にあがっていたナタリーの恋人マットだった。

マットは採掘場で働き、採掘場の寮に住んでいたので、ジェーンやベン、ほかの保安官たちと向かった。一方コリーはジェーンたちとは別に、マットの遺体があった先に続くスノーモービルの跡を追った。

採掘場では3日前からマットの行方が分からないとのこと。警察に言うべきか分からず困っている的な。ジェーンたちは、採掘場のリーダー的な男カーティスにマットの寮へ案内してもらう。

一方コリーはスノーモービルの跡を追っていた。双眼鏡をのぞいてさらに続く跡を追うと行き着くのは採掘場だった。

 

時は3日前に戻り、ナタリーが恋人マットのもとにやってくるところからはじまる。だれも知ることのない、事件の真相がここで明かされる。

3日前、ナタリーはマットのところへやってきて、帰ってこないはずの同僚たちが酔っ払って戻ってきた。酔ったピートがふたりにちょっかいを出してきて、振り払われたピートはブチ切れ、ナタリーをレイプし、守ろうとしたマットを囲って死ぬまで殴った。ナタリーはマットの逃げろ!を聞いて、泣きながら採掘場から発見された場所までの10キロの距離をひたすら逃げ続けた。

 

ジェーンたちがマットの部屋を訪ねるところへ戻り、ベンにコリーからの無線連絡が入る。その瞬間、ナタリーをレイプしマットを殺した採掘場の同僚たちと銃撃戦がはじまる。遠くから射撃したコリーによってひとりを残して犯人たちは死んだ。

コリーは逃げるピートを追って、発見されたナタリーと同じ苦痛を味わわせるようにピートを解放した。ピートは数十メートル走ったところで息耐えた。

 

銃撃戦のなか生き残ったジェーンは、凍える極限状態のなか10キロも走って逃げたナタリーに涙し、犯人全員への復讐を終えたナタリーの父は悲しみとともに生きることを決め、コリーは司法の行き届かないこの街をこれからも守っていくと決めたように見えた。

 

 

いい映画ね、とは決して言えない内容で、ただ愛し合っているだけのカップルがしあわせもつかの間、じぶんの力で街を出ることができず文句だけ垂れているクソ野郎どもに襲われるシーンは悲しさしかなくて、同じ女としてとっても怖い気持ちになった。そして、じぶんを守るために殴られ続ける恋人を置いて逃げる選択をしなくちゃいけなかった彼女を見るのは苦しかった。

 

この映画は強姦や暴行ではなく、先住民保留地が無法地帯になってしまっていることを訴えているみたい。

先住民族が実はこんな現状で生活してるんだよって教えてくれてる。ガンの死亡者よりも殺人の死亡者率のほうが高い場所なんだって。

簡単な話ではないことは、かれこれ数十年数百年規模で起きている問題なんだろうから、しゃしゃって言うべきじゃないけど、今さらもなにも、ちゃんと統治し直したらいいじゃないね。まともな生活もできず、保留地へ追いやっている代わりなのかカジノ営業権を与えられていて、結果割と楽に収入が入るから真面目な生活じゃなくなって、酒や薬、麻薬にも手を出して犯罪が増えてるらしい。負のスパイラルだと書いてあった。

どうしたらいいとおもう?と問いかけてるのだろうけど、バカな答えでも、みんな仲良く暮らすしかないだろ。先住民て言い方もなんなアレな気がするけど、何百年もたてばもうおなしアメリカ人とか人類とかでいいじゃないね。

今からでも自治を改めたら、それだけでいいことじゃんね。先住民も先住民で、ふつうのアメリカ人として生活したいひとだってたくさんいるはずじゃんね。ねえねえ、いい加減仲良く暮らして、クリーンな街にして、みんなでしあわせを作るのも悪くなくない?てできるひとがいたら、もうとっくにできていることなんだろうけど。

 

いろいろ考察しているサイトがたくさんあったから、見てみるといいよ。

訴えたくて、変えたくて、知ってほしくてこの映画が生まれたんだと思うけど、結果なにか変わったことってあったのかな。こんなに悲しい思いを、ふつうの人間が経験しなきゃいけない環境があるのは大問題だとわかるのに、偉いひとたちがなにもできていないって、だれが悪いとかがない問題なのか、解決できる兆しがあるのかすらわからないって絶望。

ウインド・リバーの予告動画・関連動画

役者について思うこと

ジェレミー・レナー

ジェーンとナタリー殺害の真相を追うハンターのコリーを演じたジェレミー・レナー。1971年生まれ。

ここ数年、いろんな映画に出ているけど、今回の彼がいちばん燃えたぎってた気がする。
キメるときはキメるけど、ズッコケてる感じの役も多かったイメージだけど、こんなシリアスな、しかも非常にむつかしそうな、コリーという男を演じるなんて!めちゃくちゃかっこよかったぜ。

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