2025.5.31

湿地
宝島社の2013年の「このミステリーがすごい!」にも選出されたアーナルデュル・インドリダソンの「湿地」(2000)が原作。
湿地の映画情報
原題 | Jar City | ||
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制作年 | 2006年 | 制作国 | アイスランド、ドイツ、デンマーク |
上映時間 | 93分 | ジャンル | サスペンス |
映倫 | G | ||
オフィシャルWeb | https://www.presidio.co.jp/library/jarcity/ |
監督 | バルタザール・コルマウクル |
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キャスト | イングヴァール・E・シーグルソン |

以下「湿地」の感想・評価・レビューの内容は、ネタバレを含む場合があります。
「湿地」をまだご覧になられていない方は、十分にご注意ください。
湿地のあらすじ・ストーリー
10月のレイキャヴィク。北の湿地にあるアパートで老人の死体が発見された。突発的な事件と思われたが、しだいに明らかになる老人の隠された過去。レイキャヴィク警察犯罪捜査官エーレンデュルがたどり着いた、小さな町の真相とは・・・?
引用元https://www.presidio.co.jp/library/jarcity/
湿地をみた記録
アイスランドの首都レイキャビクで男性が殺された。刑事のエーレンデュルが捜査をはじめると、不可解な謎が浮かび上がってきた――。
タイトルのとおり湿度がとても高め。ジャケットやニットを着ているが寒いのか寒くないのかもよくわからないし、遠くに雪山が見えて寒そうなのに吐く息は白くもなく。ただわかるのは曇天と湿度の高さ。しっとりではなくジメジメした、あたしがもっとも苦手とするじっとりした空気感がずっと続く。
こういう土地という理由だけではなくて、仕事熱心な刑事からも、素行がわるい娘からも、生活感がにじみ出る住民からも湿度の高さが感じられて、独特の不気味さ。昔だったらひとりでみれないトーンの映画。
なにかがおかしい、とピカッ!と気づく描写もなく淡々と展開していくので、おもしろくなるスタートがなかったのは残念。ボロくなって抜けそうな床や幼い子を亡くした父、未熟だけどついていこうと努力してる刑事、どっしり落ち着いているおかあさんみたいな刑事(刑事なのかもわからないけど)、ベテラン刑事を父にもつ非行娘、おもしろくさせるポイントにどう絡んでくるのか気にしていたが、つながりが見つけられなかったし、山場のようなものもなかった。ハリウッド映画のような派手さに慣れているし、日本のバカみたいな大げさな効果に慣れているし、静かにストーリーが進む映画は物足りなく感じちゃうあたしが素人なのは前提にあるのだけども。
中盤にはそれなりに察しがついてくるが、気にしていた娘とどうクロスしていくのかは期待どおりにはならなかった。ベテラン刑事もプライベートは大変な事情を抱えているし、娘がいる父親の気もちを理解できる存在だったことくらいしか考えつかなかった。
そして気になったのは羊の頭!Svið(スヴィズと読むそう)いうアイスランドの郷土料理なんだとか。あのシーン、なんだったんだろう?どういう意味があったんだろ。もし日本の映画だったら、帰路に馴染みの店でステーキ買うかんじ?でもちょっとステーキだと日常的じゃないよね。アイスランド料理ということは、彼にとって特別じゃないはずだから、あたしたちのカレーのようなもの? さすがに日常がすぎるか。わざわざ目玉をたべるシーンもあるし、マグロのカマが適切か?と考えると、やっぱり非日常なシーンだったのかな。地元のひとが気軽に買ったディナーだったのか、いつもと違った日にしたくてふだんたべない好物を買ったのか、どんな意図があったのかわからなかった。これがね、心残りですね