イエスタデイ（2019）

イエスタデイ（2019）をみた記録

売れないシンガーソングライターのジャックは、とつぜんビートルズがいない世界に気づく。ジャックはビートルズの曲を披露するとたちまち大ヒットし、世間から天才と言わしめる。

ただのファンタジックなロマンスコメディかとおもったが、こころがあたたかくなるいい話だった。ロマンスはもちろんすきだが、腑に落ちないところもあった。エリーが女心をわからないジャックにやきもきするあたりまでは受け入れられたが、世間に知られてこれからスター街道をまっしぐらというタイミングで、じぶんかスターかの選択を迫りだす。二人三脚で長いことやってきたのに、なぜいま！このタイミングを除けばいつだってよかったのに。路上ライブのときだっていいし、ライブの打ち合わせのときだっていいし、トイレに入ってるときだっていい。唯一ダメなタイミングで、これまでやってきたことを水の泡にするタイミングで、なぜ二択を迫ったのか。かわいいリリー・ジェームズでもこれはちょっと女のわるいところが出ちゃっててガッカリ。マネージャーの枠はくれるが恋人の枠はくれない、その最悪なタイミングで迫った二択のおかげでジャックはじぶんの過ちと真実の愛に気づくことができるわけだが、だから女はめんどうくさい的な典型ではないか。

ほんとにエリーを愛しているジャックだからこそ翻弄されたわけだけだが、女のあたしでもタイミングわるいよ〜って助言する。とうぜん、ジャックのように、スターよりもエリーを選ぼうとすることが真実の愛だけれど、いくらなんでもこのタイミングは…いいやつなだけにジャックがかわいそうだった。

女は日常でも成功寸前でも、どんなときでも迷いたいし駆け引きしたいし、揺れ動きたい生き物で手がかかるね。男って懐が深いよな！と理解しているけど、こういうのをみるとさらに確信が堅くなるぅ。

驚いたのは、ジャックのほかにビートルズを知っているひとがいたこと。そして彼らもビートルズの楽曲が世に広まって喜んでいること。彼らはジャックを詐欺師、ウソつき！と脅すのではなくて応援したのだ。こういうストーリーにするんだ〜と感心した。まさにビートルズが望んだ平和な世界だ。

そして、いちばんの肝はジョン・レノンが生きている世界だということ。78歳で、過去を振り返ってしあわせだと言うジョン・レノンのシーンはファンタジーながらもジーンとした。

よくわからなかったのは、ビートルズがいない世界はコーラもないし、たばこもないし、ハリーポッターもないこと。この関連がよくわからなかったし、さいごまで結ぶこともなかった。ビートルズファンには知られたエピソードがあるのかな。oasisがいないことは納得した٩( ᐛ )و